漢検1級に独学で合格した経験を交えてご紹介したいと思います。
前半は漢検1級の合格に必要な直接的な情報を書いています。
後半は漢検1級に僕が実際に苦戦しながら合格していく様子をリアルに記載することにしました。
使う参考書がブレブレで迷っているとこんなに苦戦しますよってことを伝えたいのです。
漢検1級に受からずに苦戦する方の多くはそこの部分で罠にはまっていると考えられるからです。
具体的には次のことを優先的にアドバイスしています。
- 漢検1級の難易度ってどれくらいなのか?
- どのような参考書や辞典を購入すべきか?
- 購入した参考書をどの程度仕上げるべきか?
- 過去問はどのくらいさかのぼるべきか?
- 参考書と過去問が終わったら次に何をすべきか?それはなぜか?
特に参考書選びは漢検1級合格において大変重要な位置づけとなるので、
得点別という縦のラインと、 大問別という横のラインという2つの観点から良書を吟味して紹介させていただきます。
この記事をお読みになられたら、次のような漢検1級に合格するコツが身につきます。
- 漢検1級の合格者が持っている参考書が迷わずに簡単に手に入る
- 漢検1級の合格者が行なっている合格するための手順が学べる
- 漢検1級の本番の緊迫感を知って合格可能性を高めることができる
これから漢検1級にチャレンジする方の参考になれば嬉しい限りです!
Contents
漢検1級のイメージ(取得する意味はあります)
自分は今年の第1回検定で合格しました。
合格の前と後で漢検1級の真のイメージが世間のそれとずれていることに気づきました。


漢検1級の世間のイメージ
漢検1級を持っている芸能人やクイズ王などは次のような問いかけをされていますよね。
でも、実はこれって漢検1級合格者なら学習の入り口レベルなのです。
- 薔薇(ばら)や憂鬱(ゆううつ)などの言葉を漢字で記せる。
- 海月(くらげ)などの当て字が読める。
確かに自分も取得前つまり1級を受けようと思う前は、このような勝手なイメージを持っていました。
しかし、実態はもっと凄いのです!
漢検1級のイメージとその実力を合格者が伝えます
漢検1級の真のイメージの例を、上述の物と比較して見ようと思います。
- 薔薇などは書けて当たり前。敵は、乖離(かいり)など、来た事がない言葉を漢字にする語彙力
- 当て字が読めるのはメインではなく、文字化けの文字が読めてしまうレベルです。
大袈裟に聞こえるかも知れませんが、知り合いの合格者にとっては事実そのものだと考えます。
漢検1級の真の難易度
自分は一発で合格した訳ではありません。
漢検は所詮試験→試験は過去問が命→過去問が解ければ合格点が取れる。
という思考をしていました。
確かに、一般的な入試や資格試験はそれでOKなのですが、漢検1級はそれだと確実に合格できません!
- 平成25年度くらいまでは過去問を理解すれば運が良ければ合格点を超える事が可能でした。
- しかし26年度から徐々に難化。
- 27年度には一旦落ち着いたものの、
- 28年度から現在に書けて難化の勢いが止まりません。
どれくらい変化したのかと申しますと、25年度以前は合格率が大体15%の回が多かったのです!←これはひどい笑
最近は5%が平均となるなど、もはや別の検定試験の難易度になってしまった印象が強いです。
僕の感覚では、東京大学の院試より漢検1級の方が苦戦しました。
これには意外に思うかも知れませんが、僕にとっては漢検1級はそれ程までに壁に感じた相手でした。
この最大の原因は次の3点であると明確に分かりますので、書いておきますね。
- 無駄な本を買ってしまい必要な参考書を手に入れるまでに迷う時間が多かった。
- 過去問をどのようにすれば手に入るのか?を合格の数ヶ月前まで分からずにいた。
- 受験回によって難易度が変貌するなど漢検1級特有の特徴を知らなかった。
特に参考書選びにかかった時間は大きなタイムロスでした。
あなたにはそのようなことがないようにして欲しいと思い、記事を書いております次第です。
漢検1級で最も大切なのは学習順序の把握である
漢検1級受験を経験した学習者として、漢検1級の達成の距離感を意識する事が大事であると確信しています。
漢検1級の合格点は160点/200点です。
過去問と参考書をまず勉強しないと合格点には確実に届かないという合格への距離感を理解していただきたいです。
一気に160点を狙おうとしても多分無理です。
120点→140点→150点の厚い壁→160点というステップを踏むのが精神的にも安全でしょう笑
もちろん強靭な記憶力をお持ちな天才の方は別です!
これを踏まえていないのでは挫折しやすくなって、漢検1級を諦めてしまう可能性が高くなってしまいます。
次からは参考書をその終了時にどれくらいの得点が見込めるか?という観点で紹介していきます。
レベル1:過去問吸収完了→120点
上の2019年版とは平成31年度版ということです。
このように得点をメモするページもあったりします。
本書で年度をさかのぼって学習していただくのが手っ取り早いのですが、
古い年度は売り切れがありますしお金もかかかります。中古価格になるからです。
そこでうまい方法があるのでご紹介します。
国会図書館で複写をしてもらい→それを郵送で送ってもらう方法です。
- 1ページコピー10円なのでコスパ良いです。
- しかし一度には全て揃わないので、複数回に分けて申請する必要があります
僕は過去問を100均で買ったファイルに入れました。
全部で3冊になりました。
複数回の申請は意外と面倒くさかったです。著作権なんとかかんとかで。
それが面倒な方には、もっと範囲を絞る方法があります。
僕が今から漢検1級を目指すならば、過去問を全部解かずに範囲を絞って勉強します。
その理由は次の3つです。
- 全部集めようとすると時間も労力もかかる
- 過去問には繰り返し出ている問題が多い
- そういった問題は下記の参考書を回した方が絶対に早く終わる
- 最近の漢検1級では過去問からの出題比率が減っている!
では、過去問範囲を効率的に勉強するために必要な参考書だけを紹介します。学習効率が落ちる本は紹介しません。
平成4年度の初回〜平成10年代前半までの漢検1級の過去問が重複なしで掲載されています。現在、書店ではほぼ入手できなくなってしまっているためamazonに在庫があるなら合格のためにどうぞ。最近は初期の頃の問題も出題されています。
問題の下に解答が載っているという形式です。
巻末には漢字の書き取りの許容される範囲まで掲載されています。
完全制服と同じ形式の新版です。平成10年代後半〜平成20年代前半の漢検1級の過去問が重複なしで掲載されています。具体的には最近の難化傾向が見え始める寸前の回までの問題に触れることができます。漢検1級合格者はほとんどが所持している1級過去問のバイブル的存在です。
平成15年度付近から開始された語選択の問題もキチンと掲載!
しかも問題が被っていないことが学習効果を加速させます。
今は出題されていませんが、旧字体に直す問題対策も本書1冊で対応可能です。
やはり持っておくべきですね、漢検1級の精選演習は。
この本に似たタイトルの本がありますが、本書は実質は漢検1級の最近の過去問集です。平成20年代後半〜平成20年代終盤の問題に触れることができます。難易度は漢検1級の完全制服と精選問題集と比べて最も難易度が高い本となっています。本書の大きな特徴はおまけのコーナーにある資料です。最近の漢検1級によく出る語句を効率よく吸収することができます。
しかし!ここまで学習いただいても120点くらいで停滞します。
一昔前の漢検1級ならここまでで合格だったのです。最近は簡単に受からせてくれません。
漢検1級で120点まで到達するためにすること!
- 漢検1級 完全制服を行う
- 漢検1級 精選演習を行う
- よく出る!漢検1級本試験型問題集を行う
- 直近の3年分の過去問集を購入し学習を行う
ここまで行なって120点突破レベルに到達します。
レベル2:漢検四字熟語辞典1級範囲の習得→140点
漢検1級では、四字熟語が30点分出題されるので、ここで大きく失点してしまうともう後がありません。
ここでは漢検四字熟語辞典の使用一択です。
本書の使用目的は漢検1級の得点源である四字熟語で失点を防ぐためです。本書を持たずして漢検1級に合格した猛者を僕は知りません。具体的な使用法は、本書の漢検1級部分のみの重複を除いた約1000語だけを覚えるだけなので、学習の初期段階に片付けて置きたいですね。
これで1級漢字部分である約1000種類だけ覚えれば26点は安定して取れるようになります。
1000?!と思った方もいらっしゃるかと思いますが、ここが最も楽な分野だと自分は感じます。
漢検1級の勉強を開始するばわかりますが、これはマジです。
漢検1級で140点に到達するためにすることは漢検漢字辞典の1級該当箇所を全部覚えることです!
赤い丸が漢検1級に出る四字熟語です。
購入したら赤丸をつけて覚える範囲を限定させましょう。
レベル3:漢検1級リピータの方のブログの資料を活用する→160点超え
いよいよ登場!『漢検1級模擬試験倉庫』というブログです。
ここのブログの資料をきっちりマスターできれば合格点は超えることが管理人の方が証明なさっています。
ただし、いきなり模擬試験倉庫さんのページを尋ねると、難しさのために挫折します。
まずは上でオススメした参考書を学習してからの方がいいですよ。
漢検1級で140点を取るための参考書を勉強してから『模擬試験倉庫』さんの問題へ移行するとOK!
模擬試験倉庫さんのブログはある程度の基礎がある学習者の合格力を一気に高める資料がいっぱいあります!
僕は140点を取れるレベルになってから、模擬試験倉庫さんの資料を活用できるようになってきましたので参考にしてください。
自分もここのブログの資料には大きく助けられました。この場を借りて感謝申し上げます。
模擬試験倉庫さんの目玉の3つの記事は次の通りです。
- 模擬試験
- (漢検漢字辞典からの)大見出し語
- 日々更新される大見出し語関連の問題の記事
もっと価値のある資料もありますが、まずはこの3つの優先順位が高いと思います。
漢検1級で160点を取るためには模擬試験倉庫さんのブログの有益な問題を活用させていただきましょう!
模擬試験倉庫さんの模試は全部解きました。今も解いています。
その問題は100均で購入したB4のノートに貼っています。

レベル4:漢検漢字辞典の当て字などを覚える→漢検1級合格可能性A判定
本書の使用目的は巻末の当て字と熟字訓の2000余りのリストです。漢検1級の当て字の問題はこの約2000字から出題されます。量が多いため100円ショップなどで小さなノートを購入して、そこに辞書の当て字と熟字訓のページをコピーして貼り付けて覚えて行くようにすると回転率が上がって学習効率が最大化します。
意外な意味を持つ2級以下の熟語もたくさん掲載されています。一から覚えようとしましたが挫折しましたが何か?
本書を覚えたら満点確実か?と質問されれば、YESとは堂々とは言えないのが漢字検定1級の怖さであり奥深さです。
しかし、覚えるべき優先順位1位があります。それは熟字訓(当て字)です。
本書の巻末にある熟字訓リストを全部覚えれば当て字の10点中、8点は確実に取れます。
調子よければ9点、10点は運ですね。
漢検1級の大問8の故事ことわざ対策で用いる辞典です。最近は大問2の漢字の書き取り問題で故事成語の一部が出題されたりされており、本書の必要性は徐々に上がってきています。正直に言うと、漢検漢字辞典と比べると優先順位は若干落ちます。漢検1級の受験目的以外でも深い教養を手に入れることができる実用的な一冊です。
可愛い猫がお出迎え。これだけで本書を見るのが楽しくなる!
面白い格言が多いです。普通に教養本としても使えますよ。
本書で隅から隅まで学習すれば、故事ことわざの大問で1ミスで通過できます。
また、音読みのマスターは下記の本がベストです。
漢字の音読みで漢字の形が決まる!という漢字の持つ音符を元に漢検1級漢字の総整理&暗記の助けを行う本です。辞典という名前が付いていますが、大きさは小さめで片手で持てる重さです。主に大問1の音読み問題で重宝しました。本書があれば音読み問題は失点をほぼ0に抑えられます。
こんな漢字の集合体が数100ページ永遠と続きます。
本書の目次前のページは著者による漢検1級の熱い気持ちが語られています。このページを見る限り、漢検準1級は国語が得意な高校生でも取れそうですね。
ここまでしっかりと学習できれば漢検1級の合格ラインである160点をこえるかどうかは時間の問題となるでしょう。
漢検1級で合格圏に突入するための+3ステップ
- 漢検漢字辞典の巻末の当て字と熟字訓の2000語程度を暗記する
- 新明解故事ことわざ辞典を通して歴史的背景のある出題を克服する
- 漢字音符辞典の力を借りて漢検1級特有のまぎらわしい読みの整理をする
漢検1級に『合格するために』必要な情報の総まとめ
漢検模擬試験倉庫の記事を自分用にカスタマイズした資料を繰り返したことを前提として、やるべきことをまとめておきます。
大問ごとに勉強すること
- 大問1:読み→漢字音符辞典(最近は訓読みが難しいです)
- 大問2:書き→大見出し語表(ここで許される失点は2問までです!)
- 大問3:語選択→大見出し語表
- 大問4:四字熟語→漢検四字熟語辞典(ここで落としたらどこで挽回するの?)
- 大問5:熟字訓・当て字→漢検漢字辞典の巻末資料(これを100均のノートに貼り付けていつも見ていました。結局、高速で繰り返す学習がベストなのです!)
- 大問6:一字訓→大見出し語表
- 大問7:対義語・類義語→大見出し語表(これも100均ノートの出番です。)
- 大問8:故事ことわざ→新明解故事ことわざ辞典(過去問だけでも2ミスには抑えられる)
- 大問9:文章題→大見出し語表(満点を狙うための教材が今のところありません)
以上です。
大問9の文章題の難易度が高すぎると、大問8までの得点率が高くても合格することが難しくなります。
昨年の29年度は大問9が尋常でない難しさのため鬼の難易度の年でした。しかし今年度の大問9は難易度が落ち着いてきたため合格するチャンスだと自分は考えています。
漢検1級を受験する予定の方、興味が湧いてきた方、生涯学習を考えている方など本記事を参考にしていただき、実りある漢字学習に包まれることを祈っております。
漢検1級に5回目で合格しました!漢検1級合格に手を伸ばし続けた受験期
漢検1級という言葉がクイズ番組などで認知され始めてきたような今日この頃、世間では漢検1級は超難関だと言われている風潮があるようです。
合格の方法に関しては次の記事に書きました。アクセス数が上がってきていて嬉しいです!
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漢検1級の勉強法や難易度や参考書を数検1級合格者が教えます
続きを見る
果たして、漢検1級はそんなに難しいのか?難しいならば、どれくらいか?
合格までに何回受験した?諦めなかった秘訣は?などあなたに参考になるように書いていきたいと思います。
漢検1級に受かる前の漢字力は酷いものでした
漢検1級を受けようとどうして思った?と絶対に言われるだろうな・・・と思うくらい僕は漢字に苦手意識を持った子供でした。
漢字を勉強として学び始めたのは小学校1年生の漢字ドリルが初めです。
この頃は、漢字が好きでした。
漢字が好きというより、知らないことを知るようになる知的な興奮を得ていたと思います。
雨という漢字に苦戦したことを鮮明に覚えています。この時のドリルは見開き2ページの中に2つの漢字が学べるテキストで、鉛筆で何度も書くようなコーナーがあったり、その漢字の成り立ちが書かれて、説明されていました。それが6年間続きました。
つまり、その本で行うインプットは好きだったのでしょうね。
しかし、小学校4年生から僕は塾に通い始めるようになりました。中学受験をするためです。僕は塾が嫌いでした。
小学校が褒めて育てていただける教育環境ならば、塾はただテストの点数だけで生徒の優劣を判断する冷たい教育環境だと感じていたからです。実際に、僕の周りの児童も言葉遣いが乱雑で、乱暴なことをする人が多く正直、辛かったです。
当時はもちろん筋トレもしていないので、身長はそこそこあったもののひょろっとしていたので、全然男らしくもない体型です。僕はいじめとは認識していなかったのですが、客観的に見たら先生からもそういったことをされたような気がします。
そういった環境の中で、僕は漢字が嫌いになりました。というよりも、僕なりに頑張っても成績が伸びないので、諦めていました。
諦めの良い子供だったと思います。裏を返すと、自分にできることはどこまでもやろうという姿勢ということですがね。今でも覚えているその塾で扱った漢字学習の参考書は『漢字ガイダンス』という本です。
2ページ見開きで30問あり、20点取れるまで帰れないという状況で僕は泣きながら覚えました。そりゃあね〜これでは好きなものも嫌いになりますって。
ここで僕の好き嫌いが別れた瞬間はこれしかありませんね!
- 好きになったのは自発的に進めていく学習に興味を持ったものの1つが漢字であったという理由
- 嫌いになったのは他者から評価され自分の自己否定像が漢字から生まれてしまったことに気づいたという理由
このような感じで、僕は何とか第一志望の中学校に入ることができ、中学生活をスタートしました。
しかし中学生で学んだ漢字知識は、下手をすると中学入試で養った漢字の方が多いのでは?と思うくらい僕は漢字に関してほぼ0の勉強時間だったと反省しています。
その理由は、中1で受けた漢検5級にギリギリで合格し、中3で受けた(というか勝手に国語の先生に申し込まれた)漢検3級にもギリギリで合格できたというダサい現状でした。
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高校でも漢字は全く勉強せず、というか覚えようとせず、漢検2級も取らないまま高校を卒業し大学生になりました。
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その理由はですね、当時は数学しか勉強したくないという病気にかかっておりまして苦笑、まぁその結果?、数検1級が取れたので結果オーライとしましょう!
しかし就職活動を始めた僕はここで始めて自分のヤバさに気づきました。一般教養の問題の漢字が書けないのです!これはヤバイぞ・・・!
そう思いたった僕は企業が求める漢字力の最低ラインが漢検2級だと知り、これを取らなきゃ多分、大学生としてヤバイなと思い立って漢検2級の勉強を開始しました!
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それでですね、1回目は落ちたんですよ笑
もちろん参考書とかは自己流で買っていたので、なぜ落ちたのか?を初めて自己分析しました。
今思うと相当ヤバイ大学生ですが、当時は本当に漢検2級が難しく感じたのです。その結果、当時の僕に足りなかったものは次の3つでした。
- 合格に必要な一般的な参考書で勉強していない
- 何点取れれば合格できるか調べていない
- 絶対に合格できるという自信がなくふにゃふにゃしている!
これはもうね・・・、漢検によらずに試験に受かれない人の典型のような反面教師ですよ笑
それで、上の記事にも書きました通り高橋の問題集を中心に勉強したのですよ。そしたらギリギリで通ったのです。興味深いのが、受かった回の勉強中の気持ちが、小学校の頃に好きで漢字を勉強していた時の気持ちと類似していたことです。
自発的に進んで学習しているものの1つが漢字出会ったという事実は、学習そのものを楽しくさせ、そんな学習をしている自分に好印象を僕が持ったのです。
今でいう己を客観視できたことが漢字の学習に再び火をつけた最大の理由です。
読む方が読んだら、幼い大学生だと思うかもしれません。しかし、この事実を裏返すと僕は小学生の頃に客観視が無意識にできていたという事実が残ります。つまり、人は学習に向かう心がけ次第で精神的に大きくも小さくもなるのですね!
漢検1級合格までここから丁度10年!
大学3年生の6月に回に僕は漢検2級に合格しました。漢検2級に合格した時に、僕は嬉しさというよりも、小学生の頃の気持ちを取り戻せた!僕は漢字が嫌いじゃなかったんだ!よかった!という安堵感が優っていました。
人間は不思議なもので、突然にそれまでしてこなかったことをしだすものです。僕の場合は漢検2級の合格を境に、自己啓発書を読んで成功パターンを勉強したい!という気持ちに目覚めました。
やはり、僕は漢字が苦手じゃない!本当に読める漢字が増えてきたんだ!という時間を本を読むことを通じてアウトプットしたいという意識が芽生えてきた瞬間でした。
そのような知識を吸収したい!という欲求もあり、大学院で東大を目指すことにして、しっかりと勉強量を確保することができたのです。
そして僕はなんとか(点数は十分だったのですがそれは結果論であって、当時はなんとか入学させていただいたという気持ちで精一杯でした)東大院試に成功することができ、その中の環境で揉まれることになったのです。
自分の研究科以外の学生とも話しましたね。意外と僕と同じくらいの語彙力の方がいるなという感覚があり、一応平均的な水準は保てているんだなと一安心をしました。
ここで一つ気づいたことがあったのです。今まではそんなことは微塵にも思っていなかったのですが・・・
- 高校で数検1級に受かっている
- 東大の院生で成績も良好(院ではかなり勉強したので満足です)
- 英単語も院試のTOEFLで身につけたのでまだ英語力は悪いとは言えない
あれ?僕って馬鹿じゃないのかもしれないな!
と小学校の塾でかけられた『お前は馬鹿だ!』という洗脳がようやくこの日に解けたのです。結局、自分にかけられた呪いは自分で解くしかないのです。
この日は僕にとってとても爽やかに感じました。両手を広げて本郷キャンパスを闊歩していた変人は私です。すみません。
とまぁ、話を漢検1級に戻しますね。
3.11地震のデータを用いた修士論文を書き上げて僕は大学院を終えて社会人になりました。そして紆余曲折あって今に至るのですが、社会人をしているといろんな人間に出会うわけです。
その中には優秀な人もいて、僕はその人達から刺激を受けていたのです。多分、僕は刺激を受けるのが好きなのだと思います。
そのこともあり、僕は今の会社で6社目なのです笑
少しでも違和感を感じると、自分の気持ち、意思でウルトラマンネクサスの憐のような鳥のように少しでも自分が満足できる場所を!というようにしてきました。
ということは、僕は就職試験の合格率は割と高い方で、エントリーシートや面接には謎の自信を持っているのです笑
その自信を支えるものは、僕の中に眠る向上心から来るエネルギーなのです。それで、仕事の休み時間にふっと考えたのです。
僕の向上心のエネルギーの源って、つまり仕事とは関係なく、僕が心からしてみたいことってなんだろう?
その手がかりのヒントは、高校時代に経験した数検1級の合格時の感情です。
受かった!というよりは、高校で数検1級なんて東大に受かるよりレアだな。東大は毎年3000人くらい合格するけど高校生で数検1級は毎年いないかいても一桁くらいだろう。3000と10では300倍のレアさだな!
と謎に強気なことを思っていたのです。
今でこそ東大の知り合いは結構いますから、当時の僕なんて芥子粒のような実力だったとわかるだけに、当時は謎の強気だったというわけです。
しかし、こういった思考をすることもレアだということもまた事実!
僕はこのレアさに注目してみようと思いました。

ホリエモンさんも似たようなことを思っていたようで嬉しいです。詳しくはこの本で。
本当にそんな単純な理由から目指していたのです。しかも、中学校と高校時代を自分で振り返っても分かりますが、残念な頭の生徒でも何とか東大院まで辿り着くことができたという事実があるので、ただの単純な暗記作業の漢検1級はまず倒せるだろう。
と僕は漢検1級をなめてました。すみません。こっから僕の漢検1級の挑戦が始まったのです。
漢検1級1回目の挑戦(平成28年度第3回検定)
まぁまずは尖兵の漢検準1級でも倒そうかと思って、ガチで挑んだのに、
まさかの敗退w
これには冷や汗をかきましたね。だって点数が159点という、あと1点ですよ笑!
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漢検準1級に過去問は不要!合格率10%に勝つために必要な2冊は!
続きを見る
この記事の本試験型までしっかりとやり込んで180点に迫る点数で合格しました。
なんだ、やっぱりテンプレの通りだったか。よし漢検1級の本を買おう、全部買おう!と意気込んで書店で問題を見たんですよ。
とりあえずクソワロタ状態でしたよ。
だって1問もわからないレベルで異次元の相手だったからです。
その衝撃は数検1級(僕にとっては灼熱の相手)の問題を初めて見た時とは大違いです。
あの時は面白そうだ!倒しがいのある相手だ!と意気揚々としていたのに、漢検1級はもう笑っちゃう難易度に感じました。
事実、数検1級との戦闘中は色んな思いが頭をよぎってメチャメチャ心燃えていましたから。

詳しくは本ブログの漢検1級の対策記事(いくつかあるはず)を見ていただければと思うのですが、まずは書店で買った漢検3略以外の本を完璧にして漢検1級に臨みました。
多分、この時の漢検1級三略もきちんとやっておけば合格できていたと思います。
漢検漢字辞典の重要用語を『あ』の漢字から順に漢検1級の問題形式に問題化した意欲作の上巻です。とても漢字のセンスがある漢検1級チャレンジャーの方は漢検1級の三略だけでの合格も理論上は可能です。ちなみに上略は他2つと比べてページ数が気持ち少なめです。
漢検漢字辞典の重要用語を『あ』の漢字から順に漢検1級の問題形式に問題化した意欲作の中巻です。とても漢字のセンスがある漢検1級チャレンジャーの方は漢検1級の三略だけでの合格も理論上は可能です。ちなみに上略は他2つと比べてページ数が気持ち少なめです。
漢検漢字辞典の重要用語を『あ』の漢字から順に漢検1級の問題形式に問題化した意欲作の下巻です。とても漢字のセンスがある漢検1級チャレンジャーの方は漢検1級の三略だけでの合格も理論上は可能です。ちなみに上略は他2つと比べてページ数が気持ち少なめです。
こんな感じで大量の漢字に覚悟を決めた方ならコスパ最高の本ですね。
絶対に挫折率が高いと思いますが笑
この時は漢検1級三略まで手が回らなかったため、結果148点で不合格。あと12点という結果になりました。
まぁ試験の後の感覚でダメだとわかっていたのであまり落ち込まなかったです。というよりも家に帰ってから漢検3略を注文していましたからね笑
漢検1級2回目の挑戦(平成29年度第1回検定)
しかし僕はこの年は地獄を見ることになるのです。
実は平成29年度の漢検1級は史上最強の難易度だったからです。
どれくらいヤバイかと言いますと大体は漢検1級の合格率は10%くらいなんですよ、でもこの年は3回とも5%ですからね。
いやいや、突然、無理ゲーすぎでしょ!!笑
まぁそれは今だから言えることであって、漢検1級は年度第1回検定は難易度が上昇するというジンクスがあるので、かなり準備をしたわけですよ。
この時のメインは漢検3略でした。
この本は漢検漢字辞典の1ページから最後までの漢検1級漢字を演習形式でアウトプットできる面白い教材です。新宿の紀伊国とかで在庫が少ないですが買えます。
これを完璧にし、試験に臨みました。
100均で3冊セットで購入したA4のノートに、このように間違えた問題を書いてテラテラ覚えてましたよ。
結果142点で不合格(本当にこの回は難易度が高過ぎました。)
まぁこの時はですね、前回受かっておきたかったなー、今回は第1回検定だから激難だったんだろう、きっと次回は簡単になるよ、うん。
と、1級フラグ建築士に成り果てていました。
漢検1級3回目の挑戦(平成29年度第2回検定)
今回は今までの漢検1級の傾向から易化するはずだ。だから国会図書館で手に入れた過去問をしっかり回すことが大事だわ。
などと今思えば最悪な準備をしていたわけですよ笑
なぜなら、今回の検定試験は前回よりも難化していたからです。
これねー、当時の『模擬試験倉庫』さんの記事などで「今回は前回よりも難しいでしょう」的な記事を見た時の僕の顔はきっと、
ムスカもびっくりするくらいのアホヅラをしていたと思うのです。
え、嘘だろ。だって今回第2回目検定じゃないか。
結果、137点でカスリもせずに不合格w
いやね、この時は精神的ダメージ大きかったですよ。
え?これって、まさか一生受かれないパターンじゃね?
とジョジョのパパなりに逆に考えてフラグを立てようと無駄な努力をして性懲りも無く4回目の挑戦へとズルズルと進んで行ったのです。
漢検1級4回目の挑戦(平成29年度第3回検定)
確かに、漢検1級はさ、やっぱ最難関だから、2回続けて史上最悪の難易度更新はあってもいいかな。
それくらいないと張り合いがないぜ!
的なことを思いながら、次は第3回検定という安全地帯だけど、一応、
何が起こるかわからない(フラグ)からしっかりと対策をしておこう!
と『模擬試験倉庫』さんの模試部分だけを完璧にして挑みました。
え?これって僕の知っている第3回検定ではない
やっちまった!!!
さすがにシリアスになりました。もっと『模擬試験倉庫』さんのブログを隅から隅まで学習しておけば、こんなことには。
漢検1級5回目の挑戦(平成30年度第1回検定)
しかも、このタイミングで次回は第1回検定じゃないか。
え、これ以上、難化するの?いや確実にする。
絶対に、次回は史上最難関の難易度になる。
そのため僕は現在の範囲外である旧字体に直す問題対策として旧字体も覚えました。
今思うと無駄なことをしていましたね。
僕は確信していました。もうね、確信しまくって例の親父の逆のフラグを立てようと謎の努力をしていました。
僕はジョナサン並みに、ここから大逆転をすべく、真面目なことをするわけです。
- 漢検1級は僕が受験し出してから難易度が上がり狂っている
- その度に僕は学習教材を増やしてきて失敗した
- なぜか?
- 1つの問題に当たる時の気持ちが薄れてしまっており、それが記憶力の低下を招いている
- では、次回はその逆を行き、学習する内容を1つに絞ろう!
- その1つとは・・・『模擬試験倉庫』さんのブログ。僕は倉庫さんを信じる!
多分、その決断をした瞬間に漢検1級との戦いの結果は決まったと思います。
自分の今までの価値観や信念を曲げるのはとても怖い行為です。しかし、
一歩を踏み出さなければ、変えられる未来も変えられない!
僕の得点は164点で合格です。
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漢検1級に合格した回の試験日を振り返ってみました(受かった当日の様子)
続きを見る
5回とかどんだけ諦め悪いんだよ!と思うかもしれません。
ですが、僕には諦めるという選択肢がなかったのです。これについては後述します。
嬉しいというよりも、はぁ・・・なんとか片付いたという気持ちが強いです。
漢検1級の現在の最高難易度状態には諦めない力で挑むべし
漢検1級に挑もうとしている方にアドバイスがあるとするならば、まずこれを挙げます。
漢検1級はウルトラ難しい試験ですよと。
これは僕が5回も挑戦して、漢検1級ってなんて難しいんだ!と叫んだ回数と等しいので、はっきりとした根拠を持って言えるのです。
記事の冒頭にも書きましたが、よくクイズ番組で、難読漢字が出題された時に、出題者が、
出題者「これは漢検1級レベルですよ!」と言い放ち、
視聴者「おぉー!」という流れが王道だと思うのですが、
漢検1級合格者「いやこれって漢検1級の中では基本のきだから!」という反応が多いはずなのです。
あれは嫌味ではなくて、マジモンの感想です。
漢検1級の難易度について、世間が思っているのは本当に表面的な難易度にすぎないと思う時があります。
記事冒頭でも書きましたが例えばバラ(薔薇)などがそうです。これは基本問題です。
なぜそう断言で切るか?と言いますと、理由は4つあります。
- バラという単語から花だと連想できるくらいの有名な単語
- 答えの漢字が見覚えのあるパーツで構成されている
- 常用漢字の比率が少ない
- そもそも問題が多く例えば2000語覚えて得点が10点分にしかならない分野がある関係で簡単な問題を落としたら、多分その人はこの回は合格できない
漢検1級合格者の方はこのうち最低で2つは同意いただけるでしょう?
最初の1番は、僕たちが実際に見聞きしている単語を漢字にするという問題は、結果的にサービス問題になりやすいです。
そういった問題は、何回もくりかえされるリピート問題になりやすい傾向があり、加えて僕たちが日常生活で何度か使っていくうちに、無意識のうちに「この漢字、どっかでやったな」とおぼろげながら思い出そうとする気持ちが働くため、結果として脳に情報が蓄積されていくのです。
次の2番は、部首や音符の問題になります。
漢検1級の学習をしていると、そういったものの法則に多くの人が気づきます。
- 部首はその漢字が持っている意味の把握に、
- 音符はその漢字が持つ音読みの整理にそれぞれ役立ちます。
総じて、そういった漢字を構成する要素がわかりやすい漢字の難易度は必然的に下がる傾向にあります。
次の3番の常用漢字の比率が少ないという点が漢検1級を難しくしている要因です。
例えば回録という漢字の意味が分かりますか?これは火災という意味です。今までは出題されていませんが、漢検1級には同義語の問題があり、
火災=かいろく
というイコールに気づくこと、そして『かいろく』という音を漢字に直す能力が要求されます。
それも制限時間が1時間とかなり厳しい時間設定の中で、
- 頭脳をフル回転させて、
- 記憶を引き出して、
- それを組み合わせて記憶力の勝負をしていく漢検1級の試験会場は異様な雰囲気です。
常用漢字でかつ、聞きなれない単語は難問のサインです。
だいたいは、そういった問題の数が多い回ほど合格率が下がる傾向にあります。
最後4番は、漢検1級の試験で得点がいかにしにくいかを物語っています。ここでは、新たな章として漢検1級がどれくらい点が取りにくい試験かをご紹介して参ります。
漢検1級はとても点数が伸びにくい試験
それでは、漢検1級に合格するためには、各大問ごとにどんだけ覚えるの?的なことを書いていきます。
漢検1級を目指す方にあとで泣きを見ないためには、真の漢検1級の難易度の姿を知っていただきたいと思うためです。
大問1:読み
6000字もの漢字の音読みと訓読みが試されます。
よく出る典型問題はあるものの年々難易度が上がっているために、多くの漢字に触れることは必須です。
ここでの得点は30点のため、1点を取るためには200語の漢字を覚える必要があります。
訓読みは模擬試験倉庫さんの資料だけを使いました。
これで大問1の訓読みに強い自信を持つことができました。
そのためにかけた時間は膨大でしたが笑
大問2:書き
6000字もの漢字の書き問題です。
ここでは最後に国字というサービス問題はあるものの、総合では40点分です。
つまり、ここでは1点を取るために150語の漢字を覚える必要があります。
模擬試験倉庫さんが選ばれた大見出し語を全部覚えましょう。
僕はこのように暗記しました。
青ペンを使うと脳が情報を記憶しやすい状態になりますよ!
右側にはその漢字の熟語の意味をテラテラ調べて書き込みました。
次の大問3の語選択で満点を狙うためです。
大問3:語選択
条件を満たす漢字を書く問題です。
これは以前は1級漢字のみが出題される傾向がありましたが、現在は準1級以下の漢字も平気で出てくるために範囲がべらぼうに広くなりました。
ここでの得点は10点分のため、1点を取るためには600語の漢字を覚える必要があります。
大問4:四字熟語
ここは漢検1級のオアシス部分です。
ここは30点分です。
さらに暗記する四字熟語の量が1200語くらいのため1点を取るためには40語の四字熟語を覚えれば良いことになります。
この赤丸が付いているところが漢検1級に出題される四字熟語です。
全部覚えましょう。覚えなければ絶対受かれません。
厳密には1問くらいは2級以下の四字熟語が出るためにもうちょっと多く覚える必要がありますが、合格にはあまり影響が少ないと思われます。
100均で買ってきたノートに、模擬試験倉庫さんの資料を貼りました。
このように横にして貼っていくとページ数を消費せずに全部貼れます。
大問5:当て字と熟字訓
ここも個人的にはオアシスです。
漢検漢字辞典の巻末の熟字訓のリスト2000個くらいから10点分が出題されます。
そのため1点を取るためには200語の当て字を覚えれば良い計算になり、かなり楽ではないでしょうか。
辞書のリストを100均で買ったノートに貼ります。
ただの2000個しかないので安心ですね!
そもそも今までの覚える量が多すぎて感覚が麻痺しています笑
当て字はですね、学習の初期段階でやった方がいいですよ。これはガチで。
一度、最後に詰め込もうとして失敗したので。
大問6:熟語と一文訓読み
6000字の中から基本的に読みを答える問題で10点分です。
1点を取るのに600語を覚えるというコスパ最悪の所です。
これは漢検3略の該当箇所を80回分やるのが面白い対策法だと思えてきました。
大問7:対義語と類義語
漢検1級の最難関分野の手前が来ました。
ここは20点分ですので、論理的には1点を取るのに300語を覚えれば良いのですが、ここはかなり苦戦するでしょう。
100均で買ってきたノートに、模擬試験倉庫さんの資料を貼りました。
大問7の類義語の方が対義語よりも難しいので、
類義語を覚えていく作業を行なって行けば問題ありません。
大問8:ことわざと故事成語
ここは楽です(前の大問7と比べれば)20点分のため1点を取るためには300語を覚える計算ですが、かなり早めに対策できると思われます。
これを覚えます。ただの苦行です笑。
覚えられないのはノートに貼って長期記憶を狙います。
大問9:文章題
漢検1級の合否を左右する最難関分野です。
ここは出題者の気分によって難易度が大幅に変化します。
30点分のため200語を覚えるごとに1点ですが本当にここは難しいです。
ここが難しくなってしまうと合格は絶望的になってしまいます。平成29年度とかorz
漢検1級が鬼畜と言われる理由のまとめ
漢検1級は上述のように1点を取るために尋常ではない暗記量、暗記力を要求される試験です。
以下は1点を取るために必要な漢字量を示す数値です。
数値が大きいほど1点を稼ぐ労力が大きいことを示します。
それぞれ上から順に大問1〜9を示します。
- 200
- 150
- 600
- 40
- 200
- 600
- 300
- 300
- 200
点数を取りにくい大問は以下のようになります。
右に行くほど1点の重みが大きい大問になります。
大問4<大問2<大問1=大問5=大問9<大問7=大問8<大問3=大問6
このように6000語を覚えないと合格点を超える保証がないのが漢検1級を難しくしている理由です。
参考書の総整理:大問別
先ほどは得点別に参考書を紹介しました。
ここでは、漢検1級で学習効率が高い大問から使用すべき(市販の)参考書を陳列します。
先ほどの参考書紹介が得点別という縦の学習ならば、
今回の分野別の参考書とは横のラインの学習に相当します。
漢検1級では縦と横の学習をバランスよく取り入れて意識して下さいね!
まず点の取り所の大問4の四字熟語からです。
本書の使用目的は漢検1級の得点源である四字熟語で失点を防ぐためです。本書を持たずして漢検1級に合格した猛者を僕は知りません。具体的な使用法は、本書の漢検1級部分のみの重複を除いた約1000語だけを覚えるだけなので、学習の初期段階に片付けて置きたいですね。
次に下記3冊から大問2の書き問題を仕上げましょう。
平成4年度の初回〜平成10年代前半までの漢検1級の過去問が重複なしで掲載されています。現在、書店ではほぼ入手できなくなってしまっているためamazonに在庫があるなら合格のためにどうぞ。最近は初期の頃の問題も出題されています。
完全制服と同じ形式の新版です。平成10年代後半〜平成20年代前半の漢検1級の過去問が重複なしで掲載されています。具体的には最近の難化傾向が見え始める寸前の回までの問題に触れることができます。漢検1級合格者はほとんどが所持している1級過去問のバイブル的存在です。
この本に似たタイトルの本がありますが、本書は実質は漢検1級の最近の過去問集です。平成20年代後半〜平成20年代終盤の問題に触れることができます。難易度は漢検1級の完全制服と精選問題集と比べて最も難易度が高い本となっています。本書の大きな特徴はおまけのコーナーにある資料です。最近の漢検1級によく出る語句を効率よく吸収することができます。
次に大問1の読み問題を効率よく対策しましょう。
漢字の音読みで漢字の形が決まる!という漢字の持つ音符を元に漢検1級漢字の総整理&暗記の助けを行う本です。辞典という名前が付いていますが、大きさは小さめで片手で持てる重さです。主に大問1の音読み問題で重宝しました。本書があれば音読み問題は失点をほぼ0に抑えられます。
お次は大問5の当て字と熟字訓を攻略です。学習法は大丈夫ですよね?!
本書の使用目的は巻末の当て字と熟字訓の2000余りのリストです。漢検1級の当て字の問題はこの約2000字から出題されます。量が多いため100円ショップなどで小さなノートを購入して、そこに辞書の当て字と熟字訓のページをコピーして貼り付けて覚えて行くようにすると回転率が上がって学習効率が最大化します。
お次は大問9の最難関の文章題です。今の僕ならば先ほどの漢検3略で一気に攻略します。
後半戦の大問7の対義語と類義語は上で述べた漢検三略と模擬試験倉庫さんのブログとの併用で対策は万全です。
大問8の故事ことわざは、新明解の辞典でケリをつけましょう。
漢検1級の大問8の故事ことわざ対策で用いる辞典です。最近は大問2の漢字の書き取り問題で故事成語の一部が出題されたりされており、本書の必要性は徐々に上がってきています。正直に言うと、漢検漢字辞典と比べると優先順位は若干落ちます。漢検1級の受験目的以外でも深い教養を手に入れることができる実用的な一冊です。
大問3の語選択は模擬試験倉庫さんのブログでコツコツと演習をしていくのが絶対に効率良いです!
本来、この大問は漢字の意味が分かっていれば正解できますので努力が報われやすいです。
最後の大問6の一字訓読みの問題でも、
基本的な参考書を終わらせた後に模擬試験倉庫さんのブログで演習するのが王道に感じます。
以上です。
やることいっぱいですね笑
- しかし、漢検1級は英検1級と違ってリスニングがないので自分のペースで問題が解けます。
- また、漢検1級は数検1級と違って計算ミスや論理ミスの心配もありません。
そういった意味では漢検1級の難しさは、他の1級検定と比べますと、適切な学習法をはっきりとこうだ!と言ってくれる人がいないという理由が大きいと思います。
漢検1級は記憶力+応用力+克己心で勝てる!
漢検1級は確かに難しい試験です。
漢検1級の合格者は口を揃えて、記憶力だけでは受からないよ!と言います。これには僕は賛成です。
なぜなら、漢検1級は過去問からの出題率が極めて低い試験であるからです。
おそらくですが、その理由は漢検1級の合格をそうやすやすとは渡さないぞ!という漢検協会の意向だと思われます。
事実、平成20年度前半くらいの漢検1級は過去問をしっかりと潰せば合格点である160点を超える可能性が高い試験でした。
しかし、これはこうも捉えられてしまいます。すなわち、漢検1級は記憶力だけで合格できる試験だと。
合格者に対して、ああただの漢字マニアなのね!という評価を下されて終わりの試験と言われても仕方ないことです。
これは僕の推測ですが、このように言われる漢検1級の合格者も、そのように考えられてしまう漢検協会側も悩まれたと思います。
そして平成26年度から漢検1級は、まるで別の試験のように成り果てました。
一言で言うと、とても難しい試験になってしまったわけです。
つまり過去問を潰してもせいぜい140点程度しか取れない試験になってしまいました。
この頃の漢検1級のブロガーの記事を精読していただきますと、次のような意見が多いですね。
漢検1級に合格するためには、
記憶力とそして記憶した問題をパズルのように埋め込んで模範解答を作る応用力であると。
僕はその意見は正しいと思いますし、
何より実際に漢検1級に合格された人のご意見のため、非常に参考にさせていただきながら勉強していました。
しかし、漢検1級の難化は平成29年度に最高潮に達しました。なんと過去問からの出題が6割程度になってしまったのです。
これでは残りの40点分を実力で取るしかなくなりました。
これはかなりキツイことなのです。
冷静に考えると6000語の漢字から構成される熟語の数は星の数ほどあるため、
実質的には試験範囲が無限になってしまうと言うことです。これでは合格率が一気に下がってしまいます。
事実この辺りの回の合格率は通常の半分という異例の事態となりました。
ここで、諦めてしまった学習者は割と多いようで、漢検1級の受験者が大幅に減りました。
平成29年度以降の漢検1級に受かるためには、
記憶力+応用力+諦めない力が大切であるというのが結論です。
その諦めない力とは、
一見合格点に達する暗記量が無限付近の状態(無理ゲー状態)をいかに有限値に絞り込むかが大切です。
ここで現時点で最有力の手法が『模擬試験倉庫』さんの資料を隅から隅まで理解し自分の糧とする意欲です。
その意欲はやがてあなたの実力になり、
積み重なった実力は、諦めない力へと変わって行くのです。
現在の最高難度の漢検1級に合格するための意識改革
基本的に合格に必須の力は、記憶力+応用力であるが、諦めない力が要求される。
- それは実質的に記憶範囲が無限に近い状態を有限に絞り込んで、
- それを日々消化している自分に自信を持って、
- それが自身の実力となり、その継続的なサイクルが合格するまで諦めない力となるのである。
漢検1級の現在の難易度を包み隠さず説明させていただきました。
それでも最後まで読まれて
俺(私)は絶対に受かってやる!
というメラメラと燃える熱い闘志を心に抱けたあなたは、絶対に合格の栄冠を手にすることができると信じています。
心に炎を持てた者だけが漢検1級の氷の難易度を打ち砕けるのです。
漢検1級チャレンジャーの皆さま、お読みいただき、ありがとうございます。